「広告の​調子が​悪い」を、​俺は​4つに​分けて​見る

小林顕人株式会社Hau'oli Growth 代表

広告の数字が悪くなると、

「これ、作り直した方がいいですか?」

って話になるじゃん。

でも俺、
調子が悪い=作り直す
では見てないんだよね。

同じ「CPAが悪い」でも、
中で起きてることは全然違う。

作り直した方がいい時もあるし、
逆に待った方がいい時もある。

外部要因が原因なのに、
広告セットを作り直して学習をゼロに戻したら、
ただ余計なコストを払うだけになることもある。

だから俺はまず、

「今起きてるズレって、誰が直せるものなんだろう?」

って分けて考える。

今のところ、
Meta広告の学習のズレは4つに分けて見てる。


そもそも、Metaは何を見てるのか

4つに分ける前に、
ここだけは押さえておいた方がいい。

Metaが見てるのは、

「この人は買う人なのか?」

というより、

「この1回の表示でCVが起きる可能性が高いか」

なんだよね。

あと、
Metaは因果関係を理解してるわけじゃない。

例えば、

「子どもが夏休みに入ったから、
主婦層の動きが変わった」

みたいなことを、
人間みたいに理解してるわけじゃない。

分かるのは、

「最近CVが落ちた」

っていう結果。

で、その結果を見ながら、
次の配信先を調整していく。

つまり、

機械は結果を見て、あとから追いかける。

ここにズレが生まれる。

しかも、その判断材料になるのはCVデータ。

目安として週50CVくらいに届かない案件だと、
そもそも変化を判断する材料自体が少ない。

だから低ボリュームの案件と、
十分CVが取れてる案件では、
同じ考え方をそのまま当てはめられない。


俺は「誰が直せるか」で4つに分けてる

原因を完璧に当てようとすると、
かなり難しい。

というか、
外から見えないものも多い。

だから俺は、

「原因は何だろう?」

だけじゃなくて、

「これは誰が直せるズレなんだろう?」

で分けてる。

A|追随ラグ型

これは、

変化自体はMetaも検知できるけど、
追いつくまで時間がかかってる状態。

例えば、

  • 予算を大きく変えた
  • クリエイティブを全部入れ替えた
  • CVの定義を変えた

みたいな時。

要するに、
こっちが環境を大きく変えた。

Metaからしたら、

昨日まで使ってた地図が急に変わった

みたいな状態なんだよね。

だから、
新しい正解を探し直さないといけない。

これは機械が壊れてるというより、

こっちが地図を書き換えたことで起きるズレ。

B|位相ズレ型

これ、ちょっと厄介。

例えば、

給料日前後だったり、
曜日だったり、

一定の周期でCVの波がある案件ってあるじゃん。

その波の長さと、
Metaが学習して追いつくまでの時間が近いと、

ずっと半歩遅れ続ける

みたいなことが起きる。

追いついた頃には、
また次の波が来る。

また追いかける。

で、また遅れる。

これを繰り返す。

ここは、
単純にCV件数を増やせば全部解決する、
という話でもない。

構造的にズレ続ける。

C|盲点型

これは、

そもそもMetaから見えてないものが原因。

例えば、

  • 学校の暦
  • 繁忙期
  • 天候
  • 給料日
  • 地域特有の動き

みたいなもの。

人間なら、

「今この地域はこういう時期だから、
動き落ちるよね」

って分かることがある。

でも、
その情報がMetaに入ってなければ分からない。

だからここは、

人間が先に読まないといけない。

Metaが悪いとかじゃなくて、
そもそも持ってない情報なんだよね。

D|信号汚染型

俺はまず、
これを一番最初に見る。

これは、

学習に使ってるデータそのものが壊れてる状態。

例えば、

  • タグが二重発火してる
  • CV定義が変わってる
  • 価値の違うCVが混ざってる

みたいな状態。

管理画面だけ見ると良さそうなのに、
実際の売上と合わない。

こういう時は、
そもそもMetaが間違ったデータを学習してる可能性がある。

これ、
4つの中で一番分かりやすくて、

今日直せる可能性が高い。

だから先に見る。


見る順番は D → A → B → C

俺はこの順番で見る。

順番 最初に見るところ
1 D 信号汚染 計測タグ・CV定義
2 A 追随ラグ 自分たちの操作履歴
3 B 位相ズレ 日別の波・周期
4 C 盲点 カレンダー・外部要因

ここ、
結構大事なんだよね。

Dが壊れてる状態で、
AとかBを考えても意味ない。

そもそも見てる数字が間違ってるから。

壊れた数字を見ながら、

「アルゴリズムが追いついてないですね」

って言っても、
判断の土台自体が間違ってる。

だからまず、

この数字、信用していいんだっけ?

を見る。

次に、

自分たち、何か大きく変えてない?

を見る。

それでも違うなら、
周期を見る。

最後に、
Metaには見えない外部要因を見る。

俺は基本、
上から順番に潰していく。


じゃあ、作り直すのか。待つのか。

結局、
一番聞かれるのはここだと思う。

「で、再学習させた方がいいんですか?」

って話。

これも俺は、

数字が悪いから作り直す

では決めない。

まず、
どの型なのかを見る。

A型なら、作り直す判断になることがある

Aは、
自分たちが大きく環境を変えたことで、
Metaの学習が今の状況とズレてる状態。

この時、

「待ってればそのうち戻るでしょ」

っていう判断もできる。

ただ、
どれくらい待てば戻るかは外から正確には見えない。

しかも、
今ズレた状態で配信してるなら、

ズレた配信先からデータを集め続けることになる。

だから俺は、

見えない損を待ち続けるより、
大きさがある程度分かる損を取る

って考える。

作り直せば、
学習期間中にCPAが荒れる。

これはコスト。

でも、

どんな損なのかは分かる。

一方で待つ場合、

いつ戻るか分からない。

だから、
待つ損は青天井になり得る。

この考え方で、
Aなら作り直す判断をする。

Dなら、まず計測を直す

Dは簡単。

学習し直す前に、

教師データを直す。

間違ったデータを入れたまま再学習しても、
また間違ったことを覚えるだけだから。

BとCは、作り直しても意味がないことがある

Bは、
周期そのものが原因。

Cは、
Metaから見えない外部要因が原因。

この状態で広告セットだけ作り直しても、

同じ構造がまた起きる。

だから、
再学習で解決しようとしない。

人間側で、

  • 予算
  • 配信量
  • 配信タイミング
  • スケジュール

を調整する。

こっちの仕事になる。


ただし、週50CVくらい取れていることが前提

ここも大事。

作り直す判断って、

そもそも再学習できるだけのCVがある

ことが前提なんだよね。

週50CVくらいにも届かない案件で、
何度も何度も作り直したら、

ずっと学習途中みたいな状態になる。

そうすると、

「一回分の学習コストを払えばいい」

と思っていたものが、
一回で終わらなくなる。

低ボリュームの案件にとって、

作り直すこと自体が一番高い選択肢

になることもある。

だから、
CV件数は必ず見る。


AIや機械に任せるところと、人が見るところ

ここまで考えると、
結局これなんだよね。

Metaに任せるのは、

1インプレッション単位で、
誰に出すかを最適化すること。

ここは、
人間が細かく触るより機械に任せた方がいい。

でも、

  • 来月どういう波が来るのか
  • この業界は今どんな時期なのか
  • この案件はCV数が十分なのか
  • 今起きてる悪化は、機械に見えるものなのか

ここは人間が見る。

俺、
AIでも広告運用でも一緒だと思ってて、

機械にできることは機械に任せればいい。

その代わり人間は、

機械から見えてないものを見る。

そこに時間を使った方がいいと思ってるんだよね。


「広告の調子が悪い」で止めない

広告の相談で、

「最近、調子が悪いです」

って結構ある。

でも、
俺はそこから一回分ける。

何が悪いのか。
なぜ悪いのか。
誰が直せるのか。

ここまで分けると、

「とりあえず再学習」

じゃなくなる。

今回の4つで言えば、

  1. まず計測を見る
  2. 次に自分の操作を見る
  3. 周期を見る
  4. 外部要因を見る
  5. CV件数を見る

その上で、

作り直すのか、待つのか、
人間側で先回りするのか

を決める。

結局、

「数字が悪い」と評価することと、
「今、何を変えるか」を判断することは別。

俺はそこを分けて考えるようにしてる。


まとめ

Meta広告の学習のズレを、
俺は4つに分けて見てる。

A|追随ラグ
自分たちの操作によって、
Metaの学習が今の環境に追いついていない。

B|位相ズレ
周期と学習速度が噛み合わず、
ずっと半歩遅れ続ける。

C|盲点
Metaには見えていない外部要因。

D|信号汚染
そもそも学習データ自体が壊れている。

見る順番は、

D → A → B → C。

で、
最後に必ずCV件数を見る。

広告の調子が悪くなった時、

すぐ何かを変えたくなるけど、

俺はまず、

「今、何が起きてるんだっけ?」

って一回分ける。

分けてしまえば、
次にやることは意外とシンプルになるんだよね。

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