できるようになったら、また末席に座る。俺の「末席の法則」
俺は、昔からだいたい末席から始まる。
新しい場所に行く。
何も分からない。
できない。
怒られる。
「すいません、すいません」って言いながら、人に教えてもらう。
分からなければ調べる。
一回調べても納得できなければ、また調べる。
実際にやる。
間違える。
また聞く。
また調べる。
そうやって、一個ずつできることを増やしていく。
しばらくすると、いつの間にか普通にできるようになっている。
もう少し続けると、今度は人から聞かれる側になる。
で、俺はそこでまた思う。
じゃあ、次はどこで末席になろう。
俺の中では、これがずっと繰り返されている。
勝手に、
「末席の法則」
って呼んでる。
俺は、最初からできる人ではなかった
前に、
という話を書いた。
子どもの頃から、別に器用じゃなかった。
むしろトロかった。
仕事でも、最初から何でも分かるタイプじゃない。
自衛隊でもそうだった。
最初は怒られる。
できない。
また怒られる。
昔は叩かれたり、蹴飛ばされたりすることもあった。
「すいません」
って言いながら、仕事を覚える。
でも俺は、できないこと自体はそんなに珍しいことだと思ってなかった。
最初なんだから、分からなくて当たり前。
だから、
人に聞く。
自分でも調べる。
実際にやる。
できなかったら、また調べる。
それを繰り返す。
俺にとっては、昔からそれが普通だった。
たぶん俺、「調べる」のは結構得意なんだと思う
最近思うんだけど、
俺は人に聞くこともそうだけど、
調べることが結構好きなんだと思う。
分からないことがあった時に、
一個答えを見つけて、
「なるほど」
で終わる感じじゃない。
なんで?
本当に?
他のパターンは?
これはどういう条件なら成立する?
逆の場合は?
実際にやったらどうなる?
って、納得するまで結構見る。
人に聞いても、
その答えをそのまま正解として持って帰るというより、
自分でも調べる。
違う情報も見る。
実際に試す。
辻褄が合わなかったら、また調べる。
たぶん俺は、
「分からないまま置いておく」ことがあんまり好きじゃない。
だから、末席に入っても、
知らないことが大量にある状態が、
そこまで苦じゃないのかもしれない。
むしろ、
調べるものがいっぱいある。
聞ける人もいっぱいいる。
覚えられることもいっぱいある。
結構おもしろい。
マーケティングも、最初は完全に末席だった
自衛隊を辞めて、マーケティングを始めた時もそう。
何も知らなかった。
それまで自分のパソコンすら持ってなかった。
MacBookを買って、
パソコンの使い方から覚える。
スプレッドシートを覚える。
広告を覚える。
マーケティングを覚える。
数字を見る。
顧客を見る。
会社を見る。
分からなければ調べる。
人に聞く。
やってみる。
失敗する。
また考える。
それを繰り返してきた。
今ではありがたいことに、
広告やマーケティングについて相談してもらったり、
人にレクチャーしたり、
会社全体のマーケティングを見せてもらったりすることも増えた。
でも、
ここまで来た時に、
俺はそこにずっと居たいとはあんまり思わない。
もちろん、マーケティングはもっと上手くなりたい。
まだ知らないことも山ほどある。
ただ、
自分が知っている世界だけに居続けたくない。
「主席になったら成長が止まる」と思ってる
俺はよく、
主席になったら成長が止まる
みたいなことを考える。
もちろん、
一番になった瞬間に本当に成長がゼロになる、
って意味じゃない。
同じ世界にも深さはいくらでもある。
もっと上手い人もいる。
まだ知らないこともある。
でも、
自分が周りより分かっている。
自分が答える側。
自分が教える側。
そういう場所にずっといると、
「すいません、教えてください」
って言う回数は減っていく。
自分よりできる人から教わる量も減る。
知らないことにぶつかる回数も減る。
だから俺は、
ある程度できるようになったら、
また自分が末席になれる場所を探す。
今で言えば、
店舗運営なんかは完全にそう。
まだ全然思ったようにいかない。
人も、
集客も、
オペレーションも、
お金も、
仕組みも、
実際にやってみると想像通りにならないことがいっぱいある。
つまり、
また末席。
でも、
それでいい。
というか、
毎回そこからだった。
ただし、末席に戻ってもレベル1には戻ってない
ここが、
最近すごく大事だと思ってる。
新しいことを始めると、
また初心者になる。
また末席になる。
でも、
自分そのものがゼロに戻るわけじゃない。
自衛隊で覚えたものは残ってる。
毎日続けること。
分からないものを放置しないこと。
仕事を覚えること。
人に聞くこと。
マーケティングで覚えたものも残ってる。
顧客を見ること。
数字を見ること。
仮説を立てること。
結果から考え直すこと。
AIやシステム開発をやる中で覚えたものも残ってる。
情報を整理すること。
構造にすること。
人が毎回頑張らなくても回る形を考えること。
全部、
次の世界へ持っていける。
だから、
一見すると別のことを次々やっているように見えるけど、
俺の中ではそんなにバラバラじゃない。
横に広がっているというより、
下に積み上がっている。
新しい領域へ行くたびに、
前に覚えたものの上へ、
また新しいものが乗る。
ゲームでいうと「強くてニューゲーム」に近い
これ、
ゲームでいうと、
たぶん強くてニューゲームなんだと思う。
新しい世界に行く。
新しいマップ。
知らない敵。
知らないルール。
だから、その世界では初心者。
一番後ろから始まる。
でも、
前のゲームで上げたステータスまで全部消えるわけじゃない。
考える力もある。
調べ方も知ってる。
人への聞き方も少しは分かる。
失敗しても、
どうやって原因を探せばいいか、
昔よりは分かる。
だから、
末席には戻るけど、レベル1には戻らない。
これを繰り返すたびに、
持っていけるものが増えていく。
マーケティングだけできる人から、
マーケティングを知っている人になって、
そこへAIが乗る。
システムが乗る。
店舗運営が乗る。
経営が乗る。
人材育成が乗る。
すると、
一個一個は別の仕事でも、
だんだんつながってくる。
店舗の問題を見た時に、
マーケティングの目でも見える。
人の問題としても見える。
仕組みの問題としても見える。
AIで解決できる部分も見える。
広告だけをやっていた時には見えなかったものが、
見えるようになる。
これが、
俺が末席を探し続ける理由の一つかもしれない。
広く浅くなりたいわけじゃない
いろんなことをやってると、
「広くやってますね」
って見えると思う。
でも俺自身は、
ただ分野を増やしたいわけじゃない。
ちょっと触って、
次。
ちょっと触って、
次。
みたいなことをしたいわけでもない。
一回入ったら、
結構調べる。
自分が納得するところまで知りたい。
実際に使えるところまでやりたい。
ある程度、
人に説明できるくらいには理解したい。
そこまで行ったものを持って、
次の末席へ行く。
だから、
横に薄く広がっていく感覚じゃない。
一個ずつ深く潜って、そこで拾ったものを持ったまま、次へ行く。
そのたびに、
自分の見える世界が少し立体的になる。
そんな感じ。
できない自分に戻れるか
仕事ができるようになるほど、
できる自分を守りたくなることもあると思う。
知らないって言いたくない。
分かりませんって言いたくない。
人に教わるのが恥ずかしい。
今までの評価を落としたくない。
でも、
そこを守り始めると、
新しい世界へ行きづらくなる。
新しい世界では、
どうしたってまたできないから。
でも俺は、
そこに関してはそんなに怖くない。
だって、
何回もやってきたから。
できなかった。
怒られた。
人に聞いた。
調べた。
やってみた。
また失敗した。
また調べた。
そのうちできるようになった。
毎回そうだった。
だから、
今できないことがある時も、
「俺には無理なんだ」
より、
「ああ、今また末席にいるんだな」
くらいに思える。
これは、
今まで積み上げてきた中で、
俺が一番信用していることかもしれない。
末席って、かなりいい席なんだよね
末席って、
普通はあんまり良い意味じゃない。
一番下。
まだ何もできない。
知らない。
教えてもらう側。
でも、
俺からすると、
結構いい席なんだよね。
だって、
周りに先生がいっぱいいる。
調べることがいっぱいある。
できないことがいっぱいある。
つまり、
伸びるものがいっぱいある。
しかも、
昔と違って、
今まで積み上げたものは全部持っている。
だから、
新しい末席を見つけると、
最近はちょっとワクワクする。
「あ、また伸びれるな」
って思う。
たぶんこれからも、
俺は何回も末席に座る。
また分からない。
また人に聞く。
また、とことん調べる。
また失敗する。
また覚える。
そして、
できるようになったら、
また次の末席を探す。
末席には戻る。
でも、レベル1には戻らない。
そうやって、
俺はこれからも、
一個ずつ積み上がっていくんだと思う。


