「人が​多いから​出店」で、​その​人は​誰の​店に​行くの?

小林顕人株式会社Hau'oli growth 代表

新店舗のリサーチをしてると、

「このエリア、人多いですね」

って話になる。

人口が多い。

女性も多い。

Metaの推定オーディエンスも大きい。

競合もそこそこいる。

じゃあ、

出店しても集客できそうですね。

って。

もちろん、

人口は大事。

人がいないところに店を作ってもしょうがない。

でも俺、

それだけ見てると結構怖いと思ってる。

俺のFIRST ANSWERを先に言うと、

人がいるかだけじゃなく、その人を今誰が集客していて、新店を出した時にどこからお客さんを持ってくるのかまで見た方がいい。

特に、

Meta広告で集客するつもりなら。


商圏が近いだけなら、まだ分からない

前に、

商圏って、地図に丸を描いたら終わりじゃない

って話を書いた。

あの記事では、

単純な半径○kmじゃなくて、

鉄道。

道路。

生活動線。

人流。

そういうものまで見て、

実際に来店できる人を考えよう、

って話をした。

今回はその次。

来られる人がいるとして、その人を誰が取りに行くの?

って話。


近くに2店舗作ったら、お客さんも2倍になる?

例えば、

ある地域でMeta広告を使って、

既存店が月100人集客してるとする。

近くに新店舗を作る。

店舗が2店舗になった。

じゃあ、

同じエリアから月200人取れるようになるのか。

そんな単純じゃないよね。

もちろん、

新店舗を作ったことで、

ブランド認知が上がることもある。

今まで来られなかった人を取れることもある。

提供できる枠も増える。

だから、

近くに出すこと自体が絶対ダメ、

って話ではない。

ただ、

同じ地域の、同じ人たちへ、同じ媒体で広告を出すなら、そのボリュームを2店舗で分ける可能性がある。

ここは考えないといけない。


Metaを主力にするなら、ドミナントは慎重に見る

店舗ビジネスでは、

近いエリアへ連続出店する、

いわゆるドミナント戦略が使われることがある。

運営しやすい。

ブランド認知も取りやすい。

人材や物流も共有しやすい。

メリットは普通にある。

でも、

集客方法まで一緒に考えないといけない。

例えば、

既存店もMeta。

新店もMeta。

しかも広告商圏がかなり重なる。

だったら、

同じ人へ、

既存店と新店が広告を出すことになる。

これ、

店舗数は増えてるけど、

市場の人数まで店舗数に合わせて増えたわけじゃない。

新店だけMetaを使って、

既存店は紹介や既存顧客中心。

みたいな設計なら、

また話は変わる。

だから、

出店戦略と集客戦略を別々に決めるんじゃなくて、

一緒に見ないといけないと思ってる。


ボリュームって、短期では有限なんだよね

Meta広告って、

お金を増やせば、

無限に同じCPAで取れるわけじゃない。

当たり前だけど、

そのエリアにいる人の数は限られてる。

その中で、

今興味を持つ人。

今予約できる人。

今その悩みを持っている人。

広告に反応する人。

ってなると、

さらに少なくなる。

だから、

月50件取れてたから、

予算を2倍にして月100件。

店舗を2倍にして月200件。

みたいに、

ずっと比例するわけじゃない。

ボリュームは有限。


これ、農業と一緒だと思ってる

俺、

この話って農業に近いと思ってる。

畑があります。

果物がなってます。

収穫する。

また収穫する。

また収穫する。

でも、

種をまかない。

そりゃ、

いつか取れなくなるじゃん。

野生の果物がいっぱいある場所を見つけて、

毎日みんなで取り続ける。

最初はめちゃくちゃ取れる。

だから、

「ここ最高じゃん!」

って、

人を2倍にする。

そしたら、

収穫速度も2倍になる。

でも、

果物が生える速度まで2倍になったわけじゃない。

当然、

なくなるのも早くなる。

広告も、

似たところがあると思ってる。


刈り取りだけ見てると、いつか苦しくなる

今すぐ欲しい人。

今困ってる人。

今予約したい人。

そういう人を取るのは大事。

これが刈り取り。

でも、

それだけをずっとやってたら、

いつか苦しくなる。

まだ知らない人に知ってもらう。

まだ必要性を感じていない人に、

「これ、自分にも関係あるかも」

と思ってもらう。

ブランドを覚えてもらう。

口コミを増やす。

紹介が起きる状態を作る。

コンテンツを出す。

この「まだ探していない人に、欲しいと思う理由を作る」話は、

ウィンナーを買いに来てない人に、どうウィンナーを売る?

でも書いた。

これが、

俺の中では種まきに近い。

刈り取る。

種をまく。

また育つ。

また収穫する。

この循環がないと、

短期で取れてても、

ずっと同じやり方では続かない。


新店を出すなら「倍取る」以外も考える

店舗が1店舗増えた。

売上を倍にしたい。

分かる。

でも、

集客まで単純に倍取ろうとすると、

同じ畑から、

今までの2倍の速度で収穫することになるかもしれない。

だったら、

新しい畑を探すのか。

別の客層を作るのか。

既存店と商圏を分けるのか。

媒体を分けるのか。

認知施策を増やすのか。

紹介を増やすのか。

既存顧客からの売上を伸ばすのか。

考え方はいろいろある。


「人口が多い」はスタート地点

だから、

新店舗のリサーチで、

人口が多い。

Metaの推定ボリュームもある。

っていうのは、

もちろんプラス。

でも俺は、

そこでGOにはしない。

次を見る。

今、この人たちを誰が集客してる?

自社の既存店と商圏は被らない?

Metaを使ったら、既存店と同じ人を取りにいかない?

新店分の需要をどこから作る?

刈り取るだけじゃなく、種をまく仕組みはある?

ここまで見たい。


人口が10万人いる。

だから出店できる。

じゃない。

その10万人のうち、

誰が来る?

今はどの店に行ってる?

既存店と取り合わない?

新しく需要を作れる?

そこまで考えて、

初めて商圏が事業になる。

人が多いかを見るんじゃなくて、その人たちにどう選ばれるかまで見る。

俺なら、

出店判断はそこまで見ると思う。

読んでいて、​自社の​状況が​浮かんだなら。

何が​問題か、​まだ​整理できていなくても​大丈夫です。​現在地を​整理する​ところから、​一緒に​考えます。

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