商品そのものに価値はない
俺、
商品そのものに価値って、ないと思ってるんだよね。
こう言うと、
「いや、良い商品には価値あるでしょ」
ってなると思う。
もちろん、
良い商品を作るのは大前提。
品質が悪くていい、
って話じゃない。
でも、
めちゃくちゃ良い商品を作ったからって、
その瞬間に全員にとって価値が生まれるわけじゃない。
俺はそう思ってる。
価値って、
商品そのものの中に入ってるんじゃなくて、
その商品と、その人が出会った時に生まれるもの
なんじゃないかな。
砂漠の水と、家の蛇口の水は同じ水
よく分かりやすいのが、
水。
家にいて、
蛇口ひねれば水が出る。
冷蔵庫にも飲み物がある。
その状態で、
500mlの水を1万円で売られても、
誰も買わないじゃん。
でも、
砂漠で何日も水を飲めてない。
喉カラカラ。
このままだと危ない。
そんな状態なら、
同じ500mlの水でも、
価値は全然違う。
商品は同じ。
中身も同じ。
なのに、
価値が変わる。
だったら、
価値って商品側だけでは決まってないよね。
って思う。
着られない服は、ただの布になる
服も同じ。
めちゃくちゃ高級な生地。
有名なデザイナー。
縫製も完璧。
でも、
サイズが合わなくて着られない。
自分の好みでもない。
着ていく場所もない。
だったら、
その人にとっては、
高級な服であっても、
価値はかなり小さくなる。
極端に言えば、
ただの布。
逆に、
めちゃくちゃ大事な日に着たい。
サイズもぴったり。
自分が理想としてたデザイン。
これ着たら自信持って人前に出られる。
ってなったら、
同じ服でも価値は一気に上がる。
だから俺は、
商品を見る時、
商品だけを見ない。
誰が使うの?
その人は何に困ってるの?
それを使ったら何が変わるの?
そこを見る。
整体を買いたい人って、本当に整体が欲しいのかな
例えば整体。
腰痛改善。
姿勢改善。
肩こり改善。
もちろん、
サービスとしては整体を提供する。
でも、
お客さんって、
本当に整体そのものが欲しいのかな。
腰が痛い人がいたとする。
明日から家族旅行。
せっかく楽しみにしてたのに、
歩くと腰が痛い。
長時間移動も不安。
その人が欲しいのって、
整体60分
なのかな。
多分違う。
欲しいのは、
明日の旅行を痛みを気にせず楽しめること
かもしれない。
子どもと一緒に歩けることかもしれない。
写真を撮る時に、
腰を気にせず笑えることかもしれない。
整体は、
その未来に行くための手段。
ここを逆にすると、
「うちの整体はこの技術を使ってます」
「施術歴何年です」
「この機械がすごいです」
って、
商品側の話ばっかりになる。
でもお客さんからしたら、
それで俺はどうなるの?
なんだよね。
提供者は、商品を知りすぎてる
これも結構あると思ってる。
商品を売ってる側って、
その商品について、
めちゃくちゃ詳しいじゃん。
毎日見てる。
毎日使ってる。
技術も知ってる。
競合との差も分かる。
だから、
細かい違いに価値を感じられる。
でも、
初めて見るお客さんは、
そんなこと知らない。
整体で、
「○○筋へアプローチして」
「骨盤の○○を調整して」
「この手技が」
って説明されても、
詳しくない人からしたら、
全部同じに聞こえる可能性がある。
提供者側は、
違いが分かる。
ユーザー側は、
違いが分からない。
このギャップって、
結構大きい。
だから、
商品理解が高い人ほど、商品の価値を説明してるつもりで、実は機能説明になってる
ってことがある。
俺はここ、
かなり気をつけた方がいいと思ってる。
「良い商品なら売れる」は、ちょっと危ない
良い商品を作ってる人ほど、
こう思いやすい。
「使ってもらえれば分かる」
確かに、
使ってもらったら分かるのかもしれない。
でも、
使ってもらう前に、
買うかどうか決めるじゃん。
お客さんは、
まだ体験してない段階で、
その商品の価値を想像して、
お金を払う。
だったら、
「良い商品だから売れる」
だけじゃ足りない。
その良さが、その人にとって何の価値になるのかまで伝わってるか。
ここが必要になる。
めちゃくちゃ美味しい料理。
でも、
腹いっぱいの人にはいらない。
めちゃくちゃ性能の良い傘。
でも、
雨が降らない場所では必要ない。
商品が良いことと、
その人に価値があることは、
同じじゃない。
だから「ターゲット」って、年齢と性別じゃないと思ってる
マーケティングで、
ターゲット決めましょう。
ってよく言うじゃん。
30代女性。
会社員。
年収○○万円。
もちろん、
そういう情報も必要。
でも俺は、
そこだけでは足りないと思ってる。
同じ30代女性でも、
今日困ってることは全然違う。
結婚式が来週ある人。
産後で体型が戻らなくて悩んでる人。
仕事が忙しすぎて疲れてる人。
美容にめちゃくちゃお金を使う人。
今は全然興味がない人。
年齢も性別も同じなのに、
価値は全部違う。
だから、
俺が商品を見る時に気になるのは、
年齢より、
その人は今、何に困ってて、何を変えたいの?
の方。
商品との関係は、
そこから始まる。
同じ商品でも、伝える価値は変わる
例えば、
パーソナルトレーニング。
ある人には、
「痩せる」
が価値かもしれない。
別の人には、
「健康診断の数字を改善する」
かもしれない。
別の人には、
「自信を持って服を着たい」
かもしれない。
別の人には、
「子どもと走り回れる体でいたい」
かもしれない。
サービスは同じ。
でも、
その人が欲しい未来は違う。
だったら、
一つの商品に、
一つの価値しかない、
って考える方がおかしいと思う。
商品側から、
「この商品には○○円分の価値があります」
って決めるんじゃなくて、
ユーザーとの関係の中で、
どんな価値になるかを見つける。
マーケティングって、
結構これなんじゃないかな。
価値を作るんじゃなくて、見つける時もある
「付加価値を付けましょう」
って言葉もよく聞く。
もちろん、
新しいサービスを追加したり、
便利にしたり、
品質を上げたりするのも大事。
でも、
そもそも既に価値があるのに、
伝わってないだけ
ってこともある。
例えば、
お客さんが、
「ここに通い始めてから、朝起きるのがラクになった」
って言ってる。
でも店側は、
「肩こり改善コース」
としてしか売ってない。
だったら、
新しい商品を作る前に、
今のお客さんが何に価値を感じてるのか、
聞いた方がいい。
商品開発より先に、
価値発見。
ってことも普通にあると思う。
値段って、価値そのものじゃない
前の記事で、
って話を書いた。
あの記事では、
売れない時に、
いきなり価格を下げる前に、
本当に価格で止まってるのか確認した方がいい、
って話をした。
今回の話は、
そのもう一個下にある。
そもそも、
お客さんが感じてる価値って何なのか。
例えば、
1万円の商品が高いか安いかって、
1万円だけ見ても分からない。
その人にとって、
どれくらい欲しい変化なのか。
どれくらい困ってるのか。
他にどんな選択肢があるのか。
そこまで含めて、
初めて、
高いとか安いとかが決まる。
つまり、
価格より先に、
価値がある。
ただし、「価値が伝われば何でも売れる」ではない
ここは勘違いしたくない。
価値はユーザーが決める。
だからって、
何でも伝え方次第で売れる、
って話ではない。
商品が悪いこともある。
競合より明確に弱いこともある。
そもそも需要がないこともある。
市場に合ってないこともある。
届ける相手を間違えてることもある。
だから、
「売れないのは価値が伝わってないからだ!」
って、
全部コピーライティングの問題にするのも違う。
俺が言いたいのは、
商品そのものの良さだけで、価値を決めない。
ってこと。
商品。
ユーザー。
状況。
欲しい未来。
代替手段。
全部の関係の中で、
価値を見る。
俺なら、商品を見る時にこう考える
新しい商品を見る時、
俺は結構、
これを考える。
これ、誰が使う?
↓
その人は、今何に困ってる?
↓
これを使うと、何が変わる?
↓
その変化で、生活はどう変わる?
↓
その人にとって、それはどれくらい大事?
ここまで行くと、
商品の見え方が変わってくる。
整体が、
「60分の施術」
じゃなくなる。
美容施術が、
「機械を当てるサービス」
じゃなくなる。
AIツールが、
「便利なソフト」
じゃなくなる。
その人の何かを変える手段
になる。
俺は、
そこまで見えて初めて、
価値の話が始まると思ってる。
商品を売る前に、その人の未来を見たい
商品を作る。
広告を出す。
営業する。
売る。
この順番で考えると、
どうしても商品側から始まりやすい。
でも、
一回逆にしてみる。
この人は、
今どうなってる?
何に困ってる?
本当はどうなりたい?
そこに、
自分たちの商品が役に立つ?
もし役に立つなら、
何がどう変わる?
この順番。
俺は、
マーケティングって、
商品をどう売るか
だけじゃなくて、
人がどう変わるかを考える仕事
だと思ってる。
だから、
商品を見る時、
最後にいつも戻るのは、
これ。
これって、誰の何がどう変わるんだろう?
商品そのものに価値があるんじゃない。
俺は、
その変化の中に、
価値が生まれるんだと思ってる。


