人を飛び越えると、その人だけ1歩進めない
最近、チームで組織図を見ながら、
「ポジションを飛び越えない」
っていう話をした。
これだけ聞くと、
なんか堅い会社みたいじゃん。笑
上司を通してください。
順番を守ってください。
勝手に上へ聞かないでください。
俺が言いたいのは、
そういう話じゃない。
むしろ俺、
仕事は速い方がいいと思ってる。
分かる人に聞いた方が速いなら、
直接聞きたくなる気持ちも普通に分かる。
でも、
組織全体で仕事を進めるって考えると、
速ければ誰にパスしてもいい
ではないと思ってる。
俺のFIRST ANSWERはこれ。
仕事って、やっぱりパスゲームなんだよね。
誰からボールを受け取って、
誰に渡すのか。
そこまで含めて仕事だと思う。
パスゲームって、「早くボールを離す」だけじゃない
以前、
って書いた。
自分で全部抱えない。
誰かに確認してもらう仕事なら、
先にパスする。
相手が動いている間に、
自分は別の仕事をする。
仕事全体を止めない。
これは今も変わらない。
でも最近、
もう一個あると思ってる。
誰にパスするか。
ここ。
サッカーで考えたら分かりやすい。
ディフェンスがボールを持った。
じゃあ毎回、
一番前にいるオフェンスへ、
ロングボールを蹴ればいいのか。
たまたま通ることはある。
一発でチャンスになる時もある。
でも、
毎回それで試合を組み立てるのは、
結構しんどい。
というか、
毎回綺麗に届いたら、
それはもうラッキーじゃん。笑
普通は、
ミッドフィルダーを通す。
ボールを受ける。
周りを見る。
状況を判断する。
次へ渡す。
そこを経由しながら、
チーム全体で前に進む。
仕事も、
かなり同じだと思ってる。
担当者から、毎回一番上にロングボールを蹴らない
例えば、
担当者が仕事をしていて、
分からないことが出たとする。
その上にリーダーがいる。
さらにその上に、
最終的な判断をする責任者がいる。
担当者からすると、
責任者に直接聞くのが一番確実。
答えも知ってる。
判断も速い。
だから、
いきなり一番前へロングボールを蹴る。
その場の仕事だけ見たら、
普通に進む。
でも、
これをずっとやったらどうなる?
真ん中にいるリーダーが、
ずっとボールに触らない。
どんな質問が来てるか知らない。
どう考えればいいかも分からない。
最終的に、
なぜその判断になったのかも知らない。
次に同じ状況が来ても、
当然答えられない。
すると、
担当者はまた思う。
「リーダーに聞いても分からないから、最初から上に聞こう」
って。
でも、
それ当然なんだよね。
ずっとその人を、
パスコースから外してきたんだから。
飛び越えた人だけ、判断経験が増えない
これが、
俺が一番もったいないと思ってるところ。
質問が来る。
状況を確認する。
何が問題なのか考える。
自分なりの答えを出す。
分からなければ上へ聞く。
上の人の判断を聞く。
なぜそう考えるのか理解する。
それを自分の言葉で、
次の人へ渡す。
この一連って、
ただの伝言じゃない。
判断する練習そのもの
なんだよね。
だから、
本来そこを経験してほしい人を飛び越えると、
仕事は一個終わっても、
その人だけ経験が一個増えない。
他のみんなは一歩進んでるのに、
その人だけ、
同じ場所に残る。
これを毎日やってたら、
結構大きな差になると思う。
組織図って、パスコースなんだと思う
俺は最近、
組織図を、
「誰が偉いかを表す図」
として見るより、
誰から誰へボールをつなぐかを見る図
として見た方がいいと思ってる。
担当者が受け取るボール。
リーダーが受け取るボール。
PMが持つべきボール。
責任者まで上げるべきボール。
それぞれ違う。
全部がトップまで来る必要はない。
逆に、
全部を現場だけで判断していいわけでもない。
だから、
普段から、
どのボールを、誰が受け取って、どこへ渡すのか。
ここを徹底する。
すると、
仕事が流れるだけじゃなくて、
判断も流れる。
知識も流れる。
経験も流れる。
人も育つ。
組織図の線って、
上下関係というより、
判断と成長が流れる道
なのかもしれない。
もちろん、ロングボールを蹴る時もある
ただ、
サッカーでも毎回ミッドフィルダーを通すわけじゃない。
相手の守備が崩れてる。
残り時間がない。
一気に前へ出た方がいい。
そんな時は、
ロングボールを蹴る。
仕事も同じ。
顧客への影響が大きい。
緊急度が高い。
大きなお金が動く。
今すぐ判断しないと被害が広がる。
そういう時に、
「組織図の順番なので」
ってのんびり回してたら、
そっちの方がおかしい。
緊急時は、
決定権を持っている人まで、
一気に速いパスを回したらいい。
俺はそれでいいと思ってる。
でも、
ここで大事なのは、
緊急時のプレーを、普段のセオリーにしないこと。
毎回ロングボールになった瞬間、
ミッドフィルダーがいなくても成立するチームになる。
それだと、
チームとしては強くならない。
例外を使った後こそ、真ん中へ戻す
緊急だった。
だから、
担当者から責任者へ直接ボールを出した。
それ自体はいい。
でも、
そこで仕事を終わらせちゃダメだと思ってる。
終わったあと、
本来間にいた人へ戻す。
なぜ今回は直接パスしたのか。
今回、何が起きていたのか。
何をしなきゃいけなかったのか。
なぜそうしなきゃいけないと思ったのか。
ここまで伝える。
これがめちゃくちゃ大事。
答えだけ、
「今回はこうしました」
じゃない。
なぜ緊急だった?
何を見てそう判断した?
通常ならどうする?
次に同じことが起きたら、
どこまで自分で判断していい?
そこまで戻す。
そうすれば、
今回ボールを飛び越えたとしても、
学習まで飛び越えずに済む。
俺が渡したいのは、答えじゃなくて「なぜ」
例えば、
何か問題が起きて、
俺が、
「今回はすぐこれやって」
って言ったとする。
その瞬間は、
とりあえず動いた方がいい。
説明してる時間がないこともある。
でも、
落ち着いたあとに、
「なんであの時あれをやったんですか?」
が分からないままだと、
次も同じことが起きたら、
また俺を呼ぶしかない。
逆に、
今回は顧客への影響が大きかった。
放置すると戻せなくなる可能性があった。
だから通常ルートを飛ばして、
すぐ決定権者まで上げた。
ここまで理解できたら、
次は本人が、
「今回は通常ルートじゃなくて、直接上げるケースだと思います」
って考えられる。
これが、
判断を渡すってことだと思う。
一番分かる人に聞き続けると、その人がまたボトルネックになる
俺自身、
昔、
全部の仕事と判断を自分へ集めてた。
その結果、
普通に俺待ちの会社になった。
その話は、
にも書いた。
だから、
今はできるだけ、
自分が答えなくても進む仕事を増やしたい。
でも、
ただ、
「俺に聞かないで」
では意味がない。
次に判断できる人へ、
ちゃんとボールを通さないといけない。
担当者から、
リーダーへ。
リーダーから、
必要なら責任者へ。
責任者が判断したら、
またリーダーへ返す。
リーダーが理解して、
担当者へ返す。
その往復があるから、
次は一段下で止められる。
その次は、
さらに下で判断できる。
そうやって、
少しずつ、
俺まで届くボールが減っていく。
それが、
組織が強くなるってことだと思う。
直接パスの方が速い。でも、それは「今回だけ」を見た速さ
ここ、
結構難しい。
担当者から俺へ直接聞く。
俺がすぐ答える。
確かに速い。
今回だけ見たら、
最速かもしれない。
でも、
半年後も、
同じ種類のボールが全部俺まで飛んできてたら、
全然速くなってない。
むしろ、
チーム全体ではずっと遅い。
逆に、
今日は少し時間がかかっても、
ミッドフィルダーを通す。
一緒に考える。
分からなければ上へ聞く。
理由を理解する。
自分で下へ返す。
次は、
そこだけで完結する。
今回の最短距離より、チーム全体が次から速くなるパスコースを作る。
俺は、
こっちの方が大事だと思ってる。
仕事は、一人でドリブルするゲームじゃない
仕事ができる人ほど、
自分で持っていける。
自分で考えられる。
自分で判断できる。
自分でゴールまで行ける。
だから、
ついドリブルしたくなる。
でも、
会社って、
一人でゴールを決め続けるゲームじゃない。
誰かから受け取る。
周りを見る。
必要な人へ渡す。
その人がまた判断して、
次へ渡す。
時には一気に前へ出す。
でも普段は、
ちゃんと組み立てる。
誰からもらって、誰に渡すのか。
ここまで考える。
俺はやっぱり、
仕事ってパスゲームだと思ってる。
そして、
組織を育てるなら、
パスを出す時にもう一個考えたい。
このボールを誰に渡したら、その人も次は一人で前へ運べるようになる?
仕事を一個終わらせる。
それと同時に、
できる人も一人増やす。
そんなパスゲームができたら、
会社って、
仕事をするほど強くなっていくと思う。


